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税制改正情報

土地・住宅税制

住宅省エネ改修促進税制の創設

(所得税)
CO2の排出量の増加が激しい民生家庭部門の省エネ対策を加速するため、既存住宅の省エネ性能の向上を促進する住宅の省エネ改修促進税制が創設されました。 この新しい税制は、居住者が自己の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を含む増改築等を行った場合、その工事費用に充てるために借り入れた住宅ローンを有するとき、 その住宅ローンの残高(1,000万円を限度)の一定割合を5年間にわたり所得税額から控除できる制度です。

平成19年度の税制改正では、一定のバリアフリー改修工事が行われた場合の税額控除制度が住宅ローン税額控除の特例制度として設けられましたが、 その追加版として平成20年度の税制改正で省エネ改修促進税制が創設されることとなりました。この制度は住宅ローン税額控除制度の特例であるため、 年末に住宅ローンの残高があることが必要で、その年末残高(1,000万円を限度)のうち、省エネ改修工事部分に係る年末残高(200万円を限度)に2.0%の控除を、 省エネ改修工事以外の部分に係る年末残高に1.0%の控除を行う特例です。

例えば、平成20年6月に特定の省エネ改修工事(200万円以上)とそれ以外の増改築工事(800万円以上)を行い、そのローンが年末に1,000万円以上残っている場合、 特定の省エネ改修工事にかかる200万円のローン残高に対しては2.0%で4万円、増改築工事にかかる800万円のローン残高に対しては1.0%の8万円、 合計12万円が控除されます。したがって、5年間の合計は最高控除額で60万円となります。

現行の住宅ローン控除では、平成20年居住分については、ローン残高2,000万円までは、1〜6年目まで1.0%、7〜10年目まで0.5%となっており、 最高控除額が160万円となっています。今回の改正では、現行の住宅ローン控除の増改築等工事の範囲に一定の省エネ改修工事が加えられたため、 両方の控除が使える場合には、有利になる方を選択することが可能となります。また、省エネ改修促進税制の適用期限は、 平成20年4月1日から平成20年12月31日の間までに居住の用に供した家屋が対象となります。

図表:住宅ローン税額控除制度の比較

住宅ローン控除 バリアフリー
改修促進税制
省エネ改修
促進税制
控除率 1.0%
(7年目以降は0.5%)
2.0%
(他工事は1.0%)
2.0%
(他工事は1.0%)
控除期間 10年間 5年間 5年間
ローンの
償還期間
10年以上が対象 5年以上が対象 5年以上が対象
ローンの
限度額
2,000万円 200万円
(他工事と合計で1,000万円)
200万円
(他工事と合計で1,000万円)
工事費用 100万円超 30万円超 30万円超
適用を
受ける
要件
平成20年12月31日までに居住 平成20年12月31日までに対象者※が居住
※対象者:次のいずれかを満たす居住者
  1. 50歳以上
  2. 要介護または要支援認定者
  3. 障がい者
  4. 同居親族が65歳以上、もしくは2か3に該当
平成20年4月1日から平成20年12月31日に居住

長期優良住宅「200年住宅」普及促進税制の創設

(登録免許税)
もう1つの新設税制は、長期優良住宅「200年住宅」普及促進税制の創設です。これは、良質な住宅を大切に長く使うことにより地域環境への負担を低減するとともに、 建替えコストの削減による国民の住宅負担の軽減を図るための税制です。一定の基準に適合する認定を受けた長期優良住宅「200年住宅」について、 登録免許税の税率を一般の住宅特例よりも軽減します(図表3参照)。

「200年住宅」とは、日本の住宅が新築されてから30年程度で取り壊される(国土交通省の報告)という現状、および住宅の建替えによる環境や資源エネルギーへの配慮、 少子高齢化および人口減少社会への対応から、住宅の長寿命化を目指す政策を表すものとして「200年」という言葉が使われています。具体的には、スケルトン(構造躯体) については耐久性・耐震性を、インフィル(内装・設備)については可変性を確保して省エネやバリアフリーに対応した、維持管理を容易とする住宅の建築を促進し、 さらに良質の中古住宅の流通市場を確保することで世代を超えた住宅の維持を目指しています。

図表2:省エネ改修促進税制 固定資産税の減額制度

対象 平成20年1月1日に存していて、
一定の省エネ改修工事を行った住宅(賃貸住宅を除く)
工事期間 平成20年4月1日〜平成22年3月31日まで
減額となる内容 改修工事をした翌年度分のみ。
改修工事をした住宅(1戸あたり120m2相当)に係る税額の1/3を減額

図表3:長期優良住宅「200年住宅」に係る登録免除税の軽減制度

建物の登記 本則 一般住宅(特例) 長期優良住宅
所有者の保存登記 0.4% 0.15% 0.1%
所有権の移転登記 2% 0.3% 0.1%

図表4:長期優良住宅「200年住宅」に係る固定資産税と不動産取得税の減額制度等

適用期間 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施工日から
平成22年3月31日までの間に新築・取得(中古住宅は適用不可)
床面積要件 床面積50m2以上280m2以下
(戸建以外の貸家住宅は40m2以上280m2以下)
固定資産税の
減額となる内容
税額減額:120m2相当分まで1/2減額
減額期間:中高層耐火建築物以外 5年間
     (一般住宅特例 3年間)
     中高層耐火建築物(マンション)7年間
     (一般住宅特例 5年間)
不動産取得税の
特例の内容
課税標準からの控除額:1,300万円(一般住宅特例1,200万円)

図表5:土地の売買に係る登録免許税の軽減制度

登記の種類 本則 現行 改正内容
平成20年5月31日まで 平成21年3月31日まで 平成21年4月1日
〜平成22年3月31日
平成22年4月1日
〜平成23年3月31日
所有権の移転
(土地)
2.0% 1.0% 1.0% 1.3% 1.5%
所有権の信託
(土地)
0.4% 0.2% 0.2% 0.25% 0.3%