税制改正情報
土地等の長期譲渡所得の1千万円特別控除制度の創設
(1)創設の背景
わが国の地価動向をみると、全国的には依然として地価の下落が続いています。そこで資産デフレからの脱却を確実なものとし、不動産流通を促進するため、平成21年度税制改正において、 景気回復期間中に取得した土地に係る譲渡益課税の特例が2つ創設されました。その1つが、平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万特別控除制度(取得する土地の将来譲渡益に係る1,000万円特別控除)です。
(2)制度の内容
個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した国内にある土地等で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡をした場合には、その年中のその譲渡に係る長期譲渡所得の金額から1,000万円(その長期譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合には、その長期譲渡所得の金額とします)を控除することができます(措法35の2①)。
(3)留意点
- その個人の配偶者及びその個人と特別の関係があるものからの取得や相続・遺贈・贈与・交換などによる取得は、本特例の適用は受けられません。
- 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(措法33)、特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)、特定の事業用資産の買換えの特定(措法37)などほかの特例の適用を受ける場合には、本特例の適用は受けられません。
- 土地等の譲渡には、譲渡所得の基因となる不動産等の貸し付けを含み、固定資産の交換特例(所法58)、及び収用交換等の場合の5,000万円控除(措法33の4)、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除(措法35)、などの特別控除の適用を受ける譲渡を含みません(措法35の2②)。
(4)法人の場合
法人も同様の措置が講じられています(措法65の5の2)。