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トピックス
対象範囲が拡大された教育資金贈与
教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、祖父母等(贈与者)が、金融機関に子・孫(受贈者)名義の口座等を開設して教育資金を一括して拠出した場合、子・孫ごとに1,500万円(学校等以外のものは500万円)までを非課税とする制度です。
今回の改正は、依然として1,600兆円超の個人金融資産の約6割が高齢者世帯に偏重しているほか、子育て世代における教育費負担が重いため、同制度を継続するとともにその使い勝手の向上等を図る必要から、非課税対象に通学定期券代や留学渡航費等が追加されました。
非課税とされる通学定期券代は、通常の通学に使用する定期券代のみを対象としていることから、諸般の事情により別経路で通学した際の切符代や通学定期券の有効期間が過ぎた際に購入した切符代等のほか、交通系電子マネーのチャージ料は対象外とされています。
通学定期券代を非課税対象とする場合には、通学定期券を購入した際の領収書と通学定期券の写しが必要で、通常は領収書等の提出の際には「支払先の住所」の記載が必要です。また、学校等に入学・転入学・編入学するにあたって必要となる転居に伴う交通費についても、移動の際の経路が合理的であれば、「1回の転居につき、1往復までの交通費」について認められています。ただし、親の転勤に伴って転校し転居する場合は非課税対象外です。
一方、これまで海外留学の場合、学費や寮費については非課税対象とされていたものの渡航費用については認められていませんでしたが今回、「1留学につき、1往復の渡航費」についてのみ非課税対象に追加されました。
適用を受けるには、往復分の渡航費を1度に支払う場合は、①領収書、②留学先の学校の入学許可証や在籍証明書などの就学を証明する書類、③航空券の写し、e-チケット、搭乗証明、旅程表等の渡航の経路を確認する書類が必要となります。また、往路と復路の渡航費をそれぞれ別々に払出し請求する場合は、往路については上記①〜③の書類が、復路については上記①、③に加えて往路の際に金融機関で発行してもらった「往路に関する交通費の支出に係る確認書」を合わせて提出します。
ただし、自宅等から空港への移動に掛かった交通費は対象外とされ、また渡航経路は合理的でなければ認められません。
なお、今回の改正では、教育資金の支払いに充てた金銭の領収書(原本)を取扱金融機関の営業所等に提出しなければならない要件について、領収書等に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中の合計支払金額が24万円に達するまでのものは、領収書に代えて、支払先、支払金額等の明細書の提出で済むことに変更されています。