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今回こそ改革!?「遺産課税方式」へ

相続税の課税方式については現在、法定相続人数をもとに相続税の総額を計算し、それを実際の相続分に応じて按分して課税する「法定相続分課税方式」が採用されています。仮想分割への対応や分割困難な資産相続への配慮といった観点に立っていますが、

  1. 他の相続人が取得したすべての財産を把握しなければ、税額計算できない
  2. 取得した財産が同額でも相続人の人数によって税額が異なる

といった不合理な問題もあります。

前自民党政権では、こうした点を踏まえ、「遺産取得課税方式」へ見直すよう議論が進められました。この「遺産取得課税方式」とは、各相続人が実際に取得した相続財産に対して個別に課税する方法で、取得額に応じた累進税率を適用するため担税力に応じた課税が可能となります。

この方式は、H21年度税制改正大綱に盛り込まれましたが景気対策優先との理由により、結果的に見送られてしまいました。

そして、政権交代によって最有力候補に躍り出たのが「遺産課税方式」です。これは、被相続人の遺産総額そのものに課税するという方式です。民主党が予てより主張してきたもので、遺産分割の仕方によって相続税の総額が変わることがないので税務執行上やりやすいという利点がある一方、各相続人の取得額に応じた累進税率が適用されないため、担税力に応じた課税という点で課題が残りそうです。

いずれにせよ、今後相続財産の多い富裕層の注目を集めることは確実でしょう。