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気をつけたい、資金繰りと生命保険契約の取り扱い

リーマンショックから1年余りが経ち、日本経済は徐々に回復していると言われていますが、中小企業をはじめとする多くの企業や消費者にとって回復の実感はまだ遠いものがあります。会社経営者にとって売上の減少は資金繰りの悪化に結びつき、改善の一方策としてリスク管理や福利厚生目的で加入している生命保険等の解約をするケースも見受けられます。

生命保険契約の解約や契約変更等を行う場合、その目的に応じて幾つかの選択肢があります。保険料を抑える目的であれば、保険金額の減少や、払済保険や延長定期保険への変更、保険料の振替貸付などがあり、ある程度まとまった資金を調達する目的であれば、保険金額の減額や解約、および契約者貸付制度の利用が考えられます。契約変更には、減額、払済、延長、転換などがありますが、変更前の主契約の種類、解約返戻金相当額の多寡により契約変更が不可能な場合もありますので事前に保険会社に確認する必要があります。

法人が契約者として加入している保険契約の解約や変更は決算と申告内容に大きく影響します。解約や減額を行うと、貸借対照表に計上されている保険積立金、前払保険料を取り崩し、返戻金との差額を損金または益金として受け入れます。多額の借入金がある場合には、営業利益が計上されていても借入金の返済で資金繰りが厳しいため、契約変更による返戻金を返済に充てる際には益金で受け入れる金額と税負担も考慮しなければなりません。過去の税務上の繰越欠損金があれば税負担は多少緩和されますが、全額損金算入の定期保険を解約する場合には、益金で受け入れる金額も多額になる傾向があるので、注意が必要です。

払済保険へ変更する際の経理処理は、既契約の内容により扱いが異なります。払済保険は既契約の解約返戻金を基にして変更後の保険料を一時払いするため、一度解約したものとみなして保険積立金、前払保険料等を取り崩した後、新契約の前払保険料、保険積立金を計上し、差額を損金または益金で受け入れるのが基本的な考え方です。その後、新契約の前払保険料は期間の経過に応じて保険料として損金経理していきます。

払済保険への移行の場合、解約返戻金相当額が保険積立金、前払保険料に充当されるため法人への資金の流入はありませんが、益金として受け入れる金額が発生すれば、その分は課税対象となる点に注意が必要です。生命保険等は、その契約期間が長期であるため、過去の支払保険料の累積額、保険積立金の金額も大きいことが多く、解約や契約変更を行うと決算や申告内容に大きな影響を与えることになり、また保障自体も見落とすことは出来ませんね。

(参考・FPジャーナル)