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法人税率5%引き下げ?2011年度税制改正の動き

税制調査会は、2011年税制改正の検討項目等を検討し、納税環境整備、個人所得課税、資産課税、法人課税等、雇用促進税制、環境関連税制、市民公益税制、地域主権改革と地方税制、税制抜本改革の方向性、その他を挙げています。特に法人課税等の議論では、経済産業省提出資料をもとに、税率引き下げ効果等の検討を行い、法人税の税率を5%引き下げる方向で最終調整に入っています。

国と地方を合わせた実効税率は40.69%ですが、そのうち国税の基本税率(30%)を引き下げる模様です。現在検討している企業向けの減税措置の縮小などによる財源の確保策では引き下げ分を穴埋めできませんが、企業の投資拡大の効果を考慮して、減税が先行することを容認するようです。

法人税引き下げは、1999年に基本税率34.5%を30%にして以来12年ぶりとなります。中国や韓国は実効税率を20%台まで下げたほか、ドイツも先進国で最低水準の29.41%にするなど各国では「引き下げ競争」が進んでいます。日本企業が国際競争をする上で不利な状況となっていました。

経済産業省が実施した企業アンケート調査(2010年6月〜8月実施)によると、調査回答企業(東証一部上場603社)中、海外での事業展開を行っている企業は418社で、「法人税率が引き下がらない場合、それを原因の一つとしてさらに海外移転するか」に対し、「あり得る」が203社(49%)を占め、「まず来年度5%引き下げた上で、5年以内に法人税率が国際的水準まで引き下がれば、国内回帰するか」には「あり得る」が120社(29%)でした。

また、マクロ経済モデル及び企業アンケート(約600社)を基に、法人税率を5%引き下げると、国内投資・国内回帰効果5.3兆円、海外移転抑制効果9.1兆円の計14.4兆円のGDP押上効果があるとしています。法人税の増収効果は、3年後に法人税収を6.0兆円ベースとすれば4,800億円、同8.0兆円ベースとすれば6,400億円の増収となり、国の税収全体では、3年後に2010年度補正予算39.6兆円ベースで1兆1,500億円の増収と試算しています。