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10月から「環境税」導入。産業界からの反発も

地球温暖化への対応は地球規模の重要かつ喫緊の課題であり、我が国においても低炭素社会の実現に向けて、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指しています。

我が国で排出される温室効果ガスの約9割は、エネルギー利用に由来する二酸化炭素(エネルギー起源CO2)となっており、今後温室効果ガスを抜本的に削減するためには、中長期的にエネルギー起源CO2の排出抑制対策を強化していくことが不可欠です。

また、原子力への依存度低減を図る中で、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大など、エネルギー起源CO2排出抑制対策の更なる推進は、震災以前よりも一層重要となってきています。

このような背景を踏まえ、課税による経済的インセンティブを活用して化石燃料に由来するCO2の排出抑制を進めるとともに、その税収を活用して再生可能エネルギーや省エネ対策を始めとするエネルギー起源CO2排出抑制対策を強化するために、平成24年度税制改正において「地球温暖化対策のための税」が創設され10月から導入されました。

これにより 政府試算では、最終的にガソリンや電気、ガス料金などの値上げで1世帯当たり年間平均1,228円の負担増になります。原発の稼働停止で化石燃料への依存が強まるなか、増税の影響は大きく、産業界では早くも撤廃を求める声が上がっています。

特に石油や石油製品の増税額は導入時点で1リットル当たり0.25円ですが、日本のガソリンスタンドは価格(税込み)を1円単位で表示することが多いため、環境税導入で1円値上げすれば「便乗値上げ」の批判を浴びる恐れもあります。

また、火力発電の燃料費が増えるため、電気料金も上昇します。東京電力は9月1日からの値上げに伴い、月額料金が7,500円程度の標準世帯なら月14.5円を既に上乗せしています。

さらにガス業界は、東京ガスが9月中に調達したガスの在庫がなくなる年内にも標準世帯で月10円以下の上乗せを行う見通しです。大阪ガスなども転嫁を検討しています。こうした燃料価格の上昇に伴う企業の打撃は深刻ですね。

エネルギー消費量の多い化学業界は電気料金の値上げも含め最終的な税額で年間約130億円、鉄鋼業界も約100億円の負担増になります。日本化学工業協会は「企業の海外流出が加速する」と懸念しています。産業界では制度の廃止や、税額の初年度据え置きなどを求める声が上がっています。

国内景気への影響が心配になります。