税制改正情報
所得税関連の改正/
年金所得者の申告手続きの簡素化
1 改正の内容
(1)確定申告不要制度の創設
公的年金制度の収入が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下の者について、確定申告不要制度が創設されました(所法121③)。
(2)控除対象の範囲の拡充
年金所得者に係る源泉徴収税額の計算における控除対象として、人的控除の範囲に「寡婦(寡夫)控除」が追加されました(所法203の3①)。
なお、年金所得者に係る源泉徴収税額の計算(扶養親族等申告書の提出のある者の場合)は以下のとおりです。
イ 基礎的控除額
受給者の区分 | 控除額 |
---|---|
年齢65歳以上の人 | 公的年金等の支給金額の月割額×25%+6万5,000円 (計算した金額が13万5,000円未満の場合には、13万5,000円) |
年齢65歳未満の人 | 公的年金等の支給金額の月割額×25%+6万5,000円 (計算した金額が9万円未満の場合には、9万円) |
ロ 人的控除額
区分 | 内容 | 控除 | |
---|---|---|---|
本人に関するもの | (a)障害者に該当する場合 | 一般の障害者 | 22,500円 |
特別障害者 | 35,000円 | ||
寡婦又は寡夫 | 22,500円 | ||
控除対象配偶者及び扶養親族に関するもの | (b)控除対象配偶者がいる場合 | 一般の控除対象配偶者 | 32,500円 |
老人控除対象配偶者 | 40,000円 | ||
(c)扶養対象扶養親族がいる場合 | 一般の控除対象扶養親族1人につき | 32,500円 | |
老人扶養親族1人につき | 40,000円 | ||
特定扶養親族1人につき | 52,500円 | ||
(d)控除対象配偶者及び扶養親族の者が障害者に該当する場合 | 一般の障害者1人につき | 22,500円 | |
特別障害者1人につき | 35,000円 | ||
同居特別障害者1人につき | 62,500円 |
2 適用時期
年金所得者の確定申告不要制度は平成23年分以後の所得税について適用され、控除対象の範囲の拡大は平成25年1月1日以後に支払われる公的年金等について適用されます。